Official Interview

「そもそも「創る」って、自問自答だと思うんですよね。」

2021年9月に本格始動し、ミュージシャン二人と映像クリエイター二人による“クリエイティブ・ミクスチャー・ユニット”として刺激的な音楽・映像を発信し続ける、NIKO NIKO TAN TAN。最新シングル「The Dawn」ではNYの音楽シーンにおいてジャンルを超越しながら世界的プレイヤーたちと共演するBIGYUKIとコラボレーションを果たしたり、「Vans Musicians Wanted」のアジアTop 5に選出された際にはAnderson .Paakから「Chemical Brothersのようないいものが聴けた」と賛辞の言葉が贈られたり、そしてボーカル・Ochanは今年2月よりTempalayのサポートを務めたりと、ミュージシャン/クリエイターからも高く評価されている存在だ。


Ochan:Tempalayの(小原)綾斗とは数年前から友達で。20代前半の頃にいろんな音楽を教え合ったり、当時好きだった変な音楽を聴かせたりしていました。僕は当時からギターで変な音を出したりしていて、そういうのも綾斗の記憶にあって声をかけてくれたんだと思います。


Ochanが作曲し、映像クリエイターであるSamson Leeが歌詞を綴り、Anabebeが全身を震わせて多種多様なビートを叩く。日本人の魂に染み付いているオリエンタルな音からロックやダンスミュージックなどを通過して現代的なサウンドへと繋げるNIKO NIKO TAN TANのミクスチャーは、2020年代の日本のオルタナティブロックシーンを面白く進化させてくれている。

さらに、音楽だけでなく映像やアートワーク、さらにはグッズのデザインまでユニット内で完成させられるのがNIKO NIKO TAN TANのオリジナリティだ。ミュージックビデオは主にSamson Leeが実写を、Drug StoreCowboyがモーショングラフィックを手がけている。さらにジャケットはOchanが描いた絵を用いてデザインすることもある(「WONDER」「ヨルガオ」など)。音楽・映像・アートワーク・グッズがセットとなって世に出ていく時代において、それらをすべてチーム内で制作できることによって、作品のクオリティや表現の自由度、さらにはリリースのスピードも上がる。まさに今の時代にあった活動形態を、NIKO NIKO TAN TANは発明してしまったと言えるだろう。


Samson Lee:こういう人たちがもっと増えてくるんじゃないですかね。今は若い子たちの方がクリエイティブだとも思いますし。下の世代が「自分の方ができるんじゃない?」と思える余白も残しているつもりです。ガッとこられたときに、バッとやり返すパワーは持っておきたいと思いますけど(笑)。


今は誰しもがSNSやインターネット上のプラットフォームで発信ができる“1億総創作&発信時代”であるが、大人になっても部活のような感覚で自分たちが面白いと思うことを追求し、おふざけ感覚を失わないままクオリティの高い作品を出し続けるNIKO NIKO TAN TANの姿勢は、憧れの的となっている。それはプロのクリエイターたちから愛される理由のひとつでもあるだろう。

6月29日にリリースする1 st EPのタイトルは『?』。全曲において、誰しもが感じたことのある“あの感覚”としか言えないような人間らしいフィーリングを見事に表現している。エンターテイメントであり芸術的である作品群だ。


Ochan:「NIKO NIKO TAN TANって、最近よく聞くけど、誰? 何?」って思われていると思うんですよ。俺らの中でもよくわかってない部分がいっぱいあるし、自分たちが今後何するかもわかってない。あと、そもそも「創る」って、自問自答だと思うんですよね。このEPは、その塊だと思います。


テキスト:矢島由佳子